洋服や小物のワンポイントとして馴染みのある刺繍。ステッチ（縫い目）によって花や動物などが描かれ、自由自在なデザインを楽しむことができますが、刺繍の種類はどのくらいあるのでしょうか？各国の歴史ある刺繍を知ることで、お気に入りのデザインに出会えるかもしれません。この記事では、世界中にある魅力的な刺繍の数々をご紹介します。

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世界に存在する刺繍の種類はいくつ？

世界各国には数多くの刺繍が存在します。刺繍文化の根強いヨーロッパ地方の刺繍でも100種類以上あるといわれ、それぞれのステッチの名前は形から連想されたものや、地名がつけられたものがほとんどです。国の名前が付けられた刺繍であっても地方によってさらに分散され、デザインや色合いに違いが見られます。代表的な世界の刺繍に触れてみましょう。

世界中の魅力的な刺繍5選

世界的に人気のある刺繍として、下記の5つが挙げられます。

 

• フランス刺繍
• スウェーデン刺繍
• インド刺繍
• ハンガリー刺繍
• 日本刺繍

 

それぞれ詳しく解説します。

フランス刺繍

刺繍の基本といわれるほど、一般的に広く知られているのが「フランス刺繍」です。ヨーロッパ風のデザインを総称したもので、植物や花、鳥などのモチーフが多く使われています。フランス刺繍は刺す生地に拘らず、薄い生地から厚い生地まで自由に楽しめるのが特徴です。

 

ヨーロッパでは古くから刺繍文化が浸透し、フランスでは上流階級の女性たちがたしなむものとして広がりました。幅広いバリエーションのステッチがあり、絵画のように繊細で美しいフランス刺繍は、世界中の人々に愛されている人気の刺繍です。

スウェーデン刺繍

世界的にも人気の高い「スウェーデン刺繍」。布の織り目をすくいながら上下に針を動かしていくため、織物のような美しい模様が完成します。比較的簡単なステッチですが、色の選び方やラインの描き方によって、個性的なデザインになるのが特徴です。シンプルでありながらパッと目を引く彩りのスウェーデン刺繍は、持っているだけで明るい印象になります。

インド刺繍

「インド刺繍」はインドの伝統工芸であり、その歴史は1,000年以上だといわれています。一括りにできないほどの種類があり、その中でも特に有名なのが「ザリ刺繍」です。インド古来の歴史ある手刺繍で、モール糸でビーズやスパンコールを縫い付け、きらびやかな刺繍に仕立てます。

 

光沢感のある刺繍糸やキラリと光るスパンコールを用いた「インド刺繍リボン」も人気があります。インドの民族衣装「サリー」にも使われており、女性たちの美しさを引き立てる魅力的な施しが特徴です。シンプルな小物などに装飾することで、独自性の高い魅力的なアイテムとして楽しめます。

 

ハンガリー刺繍

カロチャ刺繍やマチョー刺繍など、地域によって呼び名が異なる「ハンガリー刺繍」。花や農作物をモチーフとし、原色のカラフルな糸を使うデザインとふっくらした立体的な模様で可愛らしく仕上げています。

 

ハンガリーの民族衣装にも使われる色鮮やかな刺繍が特徴的ですが、元々は白一色で施され、女性たちのシンプルな持ち物として使われていました。染色技術が発展したことと、刺繍製品が輸出されるようになったことで、ハンガリー刺繍の発展につながったのです。

日本刺繍

「日本刺繍」は飛鳥時代に中国から仏教が伝来し、刺繍による仏像が数多く作られたことが始まりとされています。絹の生地に多彩な絹糸や金銀糸で刺していき、季節や情景を映し出すデザインが印象的です。主に着物や帯、日本人形などに施され、日本の伝統的な作品として国内外の人々に愛されています。

 

「江戸刺繍」「京繍」「加賀繍」など、生産地によって呼び名が変わり、色合いや模様に多少の違いが見られるのも楽しみ方の一つです。

お気に入りの刺繍を身近なものに

世界にある魅力的な刺繍をご紹介しました。刺繍は多種多様で、それぞれに長い歴史があります。各国の歴史や文化を知ることで、刺繍がより魅力的に感じられるでしょう。使われている糸や生地によってもデザインの印象が異なるため、一つ一つの刺繍に個性があります。世界にあふれた刺繍の中からお気に入りを見つけて、日常にさりげなく取り入れてみてはいかがでしょうか。